第1回は、「クラウド会計ソフト freee」や「クラウド給与計算ソフト freee」を運営する freee です。2012年7月設立で、資本金17億5,620万円(資本準備金含む)という急速な成長を実現しています。今回、取材にご対応していただいたのは、広報の前村さまです。

自動化でもっと便利に

Q:御社のfreeeを語る上で重要なキーワードについて教えて下さい。

A:当社サービスは、「中小企業が使うクラウドサービス」が1つのキーワードです。バズワードのような流行というよりは、昔からしっかり経営されている会社さまにも安心して使っていただけるクラウドサービスを目指しています。また、銀行やクレジットカードなどの利用明細データを、テキスト解析技術を使い自動で取得しています。さらに、機械学習を利用して入出金の用途をサジェストする機能もご提供しています。

会計ソフトの枠を超える

Q:御社サービスの一押しのポイントはありますか?

A:3つあります。1つ目は「使いやすさ」の追求です。例えば、難しい会計の用語の使い方に注意しながら、多くの方に親しみやすいサービスになるよう心がけています。2つ目はやはり「クラウド」であるという点で、いつでもどこでもディバイスを選ばず使っていただけるというのが特徴です。

3つ目は「バックオフィスの業務をすべて最適化する」というコンセプトです。経理の人だけが触れる会計ソフトという使い方だけでなく、会社全体で使うことでバックオフィス業務をより効率化していただけるサービスの提供を目指しています。例えば、請求書や経費精算のデータが、自動的に会計データとして登録されるというような機能です。また社内だけでなく、遠隔地にいらっしゃる税理士や会計士の方ともシームレスに連携ができます。そのため当社サービスは「会計ソフトの枠を超えている」と、お客様から言われるほどです。

バックオフィスを支えるサービス

Q:想定しているコンペティターはありますか?

A:弊社サービスは、会計ソフトを超えたバックオフィスを支えるサービスを目指していますので、同じように幅広い領域をカバーするサービスは少ないと考えています。個別の機能についてコンペティターとなるサービスはあるかもしれません。

勘定科目のヘルプ機能
図1:勘定科目のヘルプ機能

OCRエンジンで、新しい経理スタイルを提案

Q:主要なテクノロジーについて教えて下さい。

A:インフラはAWSを利用しています。アプリケーション部分はRuby on Rails、データベースはMySQLなどです。ただし、サービスが成長していく中で、その時々で適切なオープンソースを使っていきたいと考えています。事業者数が急速に増えていますので、様々な工夫をしています。直近ですと、iOSのアプリでSwiftへの移行にチャレンジしていたりします。

freeeではネイティブのモバイルアプリを提供しており、web版にはないモバイルに特化した機能もあります。例えば、スマートフォンでは写真を撮ることがとても簡単にできるので、その写真をアプリに搭載しているOCRのエンジンで読み込み入力をなくすなど、スマートフォンの性質を利用した機能をしています。

スマートフォンで撮影した写真をOCRで読み込む機能
図2:スマートフォンで撮影した写真をOCRで読み込む機能

法改正に積極的に対応

Q:今後力を入れていく分野、機能について教えて下さい。

A:10月に始まるマイナンバーと2016年1月の電子帳簿保存法改正に対して積極的に対応していく予定です。あたらしいマイナンバーサービス「マイナンバー管理 freee」は事前登録を開始していますので、ぜひご覧ください。マイナンバーは給与計算ソフト・会計ソフトとの連携を予定しております。

スタートアップは、海外が面白い

Q:注目しているスタートアップはありますか?

A:個人としてになりますが、スモールビジネス向けのクラウドサービスは日本よりも導入が進んでいる海外のサービスに注目しています。例えばニュージーランドのXeroという企業や、アメリカのZenPayrollという企業です。

OCRから機械学習、クラウドまで、幅広い技術を使って中小企業の全社員が使うサービスを目指す姿は、素晴らしいと感じました。会計ソフトからスタートしたfreeeというサービスが、数年後、どんなサービスになっているのか、目が離せません。