今回は治療法選択の指針となる患者の体験談や専門家のコラムを掲載し、患者自身が様々な治療法について理解を深めることができる「治療ノート」のプロジェクトリーダー 武田吉正氏に話を伺いました。

患者自身が治療法の知識を求められる時代

Q:治療ノートのキーワードは何でしょうか?
A:治療ノートで重要なキーワードは「治療法の選択」です。患者さんが治療法を納得、安心して行える世の中にするべくサービスを運営しております。

もともと私自身小さい頃はアトピー性皮膚炎で母親が治療法に悩んでいたことや、友人が乳がんになったことで治療情報を探した際に、治療法に関する内容が散見していて情報を集めにくいと感じていました。

そこで治療ノートでは、患者さんの体験談と専門家による医療知識の両方の情報を集約し、治療法について知ることができる環境を整えました。治療法の情報に関しては誰でもオープンにアクセスできることが大切だと考ており、患者さんを中心としたサービス作りを心がけています。

治療法を中心とした体験談と専門知識

Q:治療ノートの特徴は何でしょうか?
A:治療を中心に情報が整理されていることが一番の特徴です。治療ノートでは医師が監修した治療法に関する基礎情報と、治療法ごとに整理された患者さん自身の体験談の2つの軸から治療法を理解することができます。実際に治療法で検索して治療ノートに来ていただく方が多く、20〜40代の女性の利用者が多いです。

治療法に関する体験談は実際に患者さんに話を伺って書いたり、患者会のご協力で作成したり、フォームから投稿していただいたりして作成しています。体験談の内容は、病気にかかった方が治療法を選ぶうえでどのような葛藤があったか、どうような決めてがあったか、実際その治療法の効果や副作用はなど、治療法を選ぶうえで参考になりそうな内容を治療法ごとに整理してまとめております。

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図1:治療法に関する体験談

患者さんが使いやすいサービス作りを第一に

Q:競合となるサービスはありますか?
A:我々の治療ノートでは治療法という軸で患者さん向けに情報を提供しています。病気や病院といったでは他でもサイトがありますが治療法の一貫性、客観性を重視しているサイトはあまりないかと思っています。ですので我々は、患者さんが使いやすいサービス作りを第一に考えて治療ノートを運営しています。当然ではありますが、科学的根拠が薄い情報には細心の注意を払い、安心して使われるサイトにしていきたいと考えています。

実際、病気になると多くの方が様々なサイトで病気や治療法について調べると思います。その際に多角的に病気や治療法について知ることができる環境が整っていることが大切だと考えています。

Q:治療ノートで使っているテクノロジーについて教えてください。
A:プログラミング言語はRuby、フレームワークはRuby on Railsです。インフラはHerokuを使っています。データはPostgreSQLにて記録をしています。

知っておきたい医療制度などを紹介する治療ノートコラム

Q:今後、力を入れていきたいサービスや機能について教えてください。
A:精度の高い医療情報と患者さんの体験談のニ軸があるなかで、前者についてはより深く医療者の方に関わっていただき、正確で適切な情報構築を目指しています。後者では、既存の患者さんの体験談を中心に、より患者さんの知識、知恵を集まりやすく、様々な軸から閲覧できるような新機能の追加を企画中です。

また、先日新しい機能では、治療ノートコラムをスタートしました。世の中には悩める患者さんを支援するような制度や考え方、ちょっとしたコツなどが数多くあります。しかし、認知度が低いことなどで本当に必要とされてる方に届いていない場合も多くあるでしょう。

治療ノートコラムでは、そういったお役立ち情報をまとめて、必要な人に届けていきたいと思っています。facebookでも情報を発信しておりますので、もしよろしければご覧ください。

治療ノートfacebookページ

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図2:治療ノートコラム

Q:気になっているスタートアップはありますか?
A:1つ目はオンラインカウンセリングのcotree(コトリー)ですね。今後、カウンセリングも伸びていく市場だと思いますので、とても注目しています。

2つ目はアメリカのPropeller(プロペラ)というスタートアップです。喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の吸引機のセンサーを開発した会社で、センサーから吸引機の回転数や場所、時間のデータを取り喘息の原因特定や予測を行うサービスです。

インターネットが発展に伴い様々な情報がオープンになっていく中で、医療に関する情報にもオープン化の波が押し寄せています。治療ノートをはじめとした医療情報サービスが増えていくことは望ましいことではありますが、逆に自分自身の健康を自分自身で管理しなければいけない時代に突入したとも言えそうです。